聖なる木とクリスマス

森のある暮らしのすすめ 2013.04. 8

12月に入り、まちはクリスマス一色。

クリスマスと言えば、華やかに輝くクリスマスツリー。

今は日本でもすっかりおなじみになった12月の風物詩です。

今回はこの「クリスマスツリー」についてラボします。

 

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クリスマスツリーの起源

 

ツリーのお話しをする前に、まず「クリスマス」の起源をご存知でしょうか?

「クリスマス」の語源はラテン語の「クリストゥス・ミサ」の略で、キリストの降誕を祝う祭礼を意味します。

しかし12月25日は、初めから「イエス・キリストの誕生日」だったわけではなく、

それよりも先に「冬至」を祝う祭りが世界の各地で古くから行われていて、

それに合わせてイエス・キリストの誕生日を決めた、

という後付け的なものでした。

(正式にキリストの誕生日を12月25日と定めたのは、2~4世紀ごろと言われています。)


 

太陽が生まれ変わる日「冬至」

 

冬至というのは、日の長さがこの日を境に長くなっていく日で、

見方を変えると、太陽が生まれ変わり生命力を取り戻すことを象徴する日です。

冬至を季節の境とし、そのことを祝う風習は古くから世界各地にありました。

そのためクリスマスの祝い方にも、地域それぞれで異なるといった、多様な地域性があります。

同じようにクリスマスツリーの起源にも、異なったものが存在しています。

 

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例えばドイツ山岳地方で行われていた習慣が、現在のクリスマスツリーの起源になっていると言う説では、

モミ(細かく言えば、ここで言う「モミの木」はおそらく「ドイツトウヒ」)の木には幸運の守り神である小人が住んでいて、

村人はその小人たちに感謝と祈りを捧げるために、モミの木に卵や花や木の実やロウソクなどをつるし、

そのまわりを歌いながら踊ったというものです。

 

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もちろんクリスマスの起源と同様に、クリスマスツリーの起源にも諸説あり、どれが絶対ということはありません。

諸説ある中で共通しているのが、祭りを祝うために常緑樹(モミやヒイラギ等)を用いる点です。

冬の間も緑色の葉を茂らせる常緑樹は、古来から生命力を象徴するシンボルとして用いられてきました。

そのためツリーだけでなく、クリスマスを彩る「リース」にも常緑樹が用いられているのでしょう。

聖なる常緑樹、日本で言うと「榊」的な扱いでしょうか。

蛇足ですが、日本ではこの聖なる木(常緑樹)に囲まれた神社のことを、かつては「モリ」と読んでいたそうです。

 

 

クリスマスまであと20日。

まちの中や家の中で見かけるクリスマスツリーの歴史について調べてみると、

この華やかなお祭りの中に、自然に感謝しながら暮らしてきた昔の人たちの心を感じることができるかもしれません。

 

<おまけ>

前回ご紹介した、「超簡単リース」をちょっとクリスマス仕様にしてみました。

麻糸は赤く、そこに枯れ枝をさしこんで、お家風に。

 

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画用紙において、背景に絵を足しても面白そうです。

これなら、お子さんと一緒に楽しみながらできそうですね。

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 もっと簡単なのが、散歩途中に拾った木の枝を、ピンで壁にとめる方法。

 

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こんな感じで、部屋の中の小さなコーナーもクリスマスっぽくすることができます。

この下に、クリスマスまでの小さなカウントダウンカレンダーを飾っても楽しそうです。

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