「よろこびの森」の手作りアスレチック

森森探訪 2013.06.20

日本の中には、数多くの里山が残されていますが、その多くは人の手が入らなくなり、荒廃しています。


かつてとはまた違った方法で、里山の森へ人が入り、
そのことが里山の環境をより多様なものへと変化させることができたら、
人にとっても、森にとっても、生きものにとっても、よろこびにつながる場所になる。

今回は、そんなコンセプトで荒廃した森を復活させた、
栃木県那珂川町にある「よろこびの森」へお邪魔してきました。


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ちょっと離れた場所から、「よろこびの森」を見下ろす。
スギやヒノキなど、材のために植樹された森が少ないので、広葉樹が多いのが特長です。
(写真をパっと見て、とんがっているのが針葉樹です。)


「よろこびの森」は、栃木県那珂川町の里山を、那珂川町林業振興会の皆さんが力を合わせて整備した場所です。

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入口にある「よろこびの森」の解説板


「よろこびの森」は、元々薪炭林として活用されていた里山でしたが、東山の森と同じように人の手が入らなくなり、
だんだんと暗い森になってしまった場所だったそう。

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そこに那珂川町林業振興会、つまり現代のきこりさんたちが力を合わせて、素晴らしい森へと変貌を遂げました。

なんといっても驚くのは、手作りのアスレチック。

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林間が整備されたことで、木と木の間にゆとりが生まれ、それがさらに次の可能性を産み出したとでもいいましょうか。
木と木の間を渡したロープが、街の公園では味わえない、素晴らしい森の遊び場を作りだしています。


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こちらは2本の木の間に、はしご状にロープを渡したもの。

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ピース!

これ、私も登ってみましたが、かなりの高さです。
でもロープがあるので、普通の木登りより簡単に上れちゃいます。

もちろん森なので、平らな地面は少ないのですが、反対にその傾斜を活かして、魅力的なブランコが設置されています。

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これは紐が1本タイプのもの。
紐が2本付いたブランコタイプもあります。

何より傾斜地にあるので、ブランコに乗って眺める景色がサイコーなのです。

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これも森の中ならではの醍醐味ですねー。

さらには、子ども心をくすぐるこんなステージもあったりして。

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もちろん登っちゃいます。

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お父さんの心配をよそに、もりもり登っていきます。

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とうちゃーく!
ものすごくいい笑顔。

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当日は自然観察会等のイベントもあって、地元からだけでなく東京からもたくさんの人が来ていました。
(※「よろこびの森」はこういった催しものがある時しか入れません。)

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草笛を吹く子どもたち


スウェーデンには「森のムッレ教室」という幼児向けの自然教室があります。
子どもたちが森の中で遊びなから自然を学ぶというものなのですが、
このよろこびの森を見て、そのことが心に浮かびました。

雨の日も、風の日も屋外に出て、自然に向き合う。
自然の中で遊ぶということは、教科書や参考書を見ても載っていない自分なりの答えを、
常に出していく鍛錬のようなものかもしれません。

薪や炭のためだけではない、里山の可能性を、
手作りアスレチックの中でのびのびと遊ぶ子どもたちを見て、確かに感じたのでした。

いつか東山の森の中にも、こんなふうに子どもたちがのびのびと遊べる場所が作れるといいなあ、
と思いながら、帰路についた旅となりました。

那珂川町の皆さん、ありがとうございました。

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