静かな森で

森+LABO森のある暮らしのすすめ 2014.01. 8

冬の森は深々とした静寂に包まれます。
春から夏にかけておおい茂っていた緑も、秋を越えてほとんど散って、閑散としたたたずまいになります。
しかしそれは植物が厳しい冬を越えて、生命をつないでいくためのひとつのプロセスなのです。


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植物は、春から晩夏までの間に次の春を迎えるための新芽を形成し、冬を無事に越せるようその芽に鎧をまとっています。
「冬芽(ふゆめ)」と呼ばれるもので、木の種類によってその形状はさまざまです。

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冬芽には色々あり、葉を落とす落葉樹だけでなく、常に緑色を保つ常緑樹にも冬芽が存在します。
種類もさまざまで、白くて柔らかい毛皮のような表皮に覆われたコブシやヤナギの仲間たち。
ねばねばとした粘着質の表皮に覆われたトチノキ。
小さな芽を持つケヤキやコナラ。

寒さだけでなく、冬季の乾燥も植物にとっては大きな問題です。
冬芽をつけた植物の多くは、この乾燥をやり過ごすために芽を外皮で覆い、水分の蒸発を防いでいるのです。

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暮れていく森の中で、植物たちは眠りにつき、やがて来る春を静かに待っています。
一見寂しげに見える森の中では、無数の命が芽吹く日を夢見ているのです。



今年も残すところ、あとわずか。
皆様にとって新しい年がすばらしいものになりますようお祈り申し上げます。

来年も引き続き、森+LABOをよろしくお願いします。

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