春に向かって

森+LABO 2014.02.14

こんにちは、森+LABOです。

一年のうちで一番寒さが厳しいと言われる「大寒」は、暦の上では1月20日頃を指しますが、
期間としての意味も持っています。
つまり1月20日頃から次の24節季の「立春」までが一年のうちで一番寒い時期だと言えるのです。

今回はそのもっとも寒い時期から、春を示す「立春」までの間の森の中をLABOしてみます。

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大寒の頃は、東京でも雪の降る日がチラホラあります。
でもたいてい夜中に降っているので、未だに目にしていない人も。


東京あたりはそこまで雪深くありませんが、寒い朝には霜や霜柱ができていたりします。
この霜柱、子供の頃は踏んで音が鳴るので楽しんで踏んでいましたが、
そういえば昔よりも見かけることが少なくなったような気がします。

そもそも舗装されていない地面や人通りなどによって踏圧されていない土面が少ないせいもあるんでしょうかね。

さて「霜柱」と「霜」は同じ「霜」という名前が付いているのでついつい同じ現象として捉えがちですが、
実際は少し違っています。


霜柱は土中の水分が表面に出てきて凍り、さらに凍っていない水分が毛細化現象(※)によって地表面に吸い上げられ
地表面近くでまた凍り、ということを繰り返しながら土を押し上げ柱状に発達したものです。
柔らかい土は土が持ちあがりやすいため、畑などで見かけることが多いです。

しかし霜柱が畑の中で起こると植えた作物の根を持ち上げて傷つけてしまうので、
冬季の畑では作物の周りに藁を敷き、霜柱を防いでいるのです。

※毛細化現象:水の表面張力により、水分が細かいすき間を上昇してくる現象のこと

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冬の間に見られる「霜が降りる」という現象は、空気中の水分が凍ったものです。
空気と接触している物体の表面の温度が霜点よりも低くなると、空気中の水蒸気が昇華し、物体の表面にとても小さな結晶構造をもつ氷が成長します。
この結晶、あるいは現象そのものを「霜」と言います。

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よく道端で植物の表面に霜が降りているのを見かけますが、植物だけでなく車のフロントガラスなどにもできていることがありますよね。


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春を告げる「福寿草(フクジュソウ)」。
立春は旧暦の正月で、フクジュソウはこの頃から開花するために、元日草(ガンジツソウ)という別名も持っています。
光と気温にとても敏感な性質をもっていて、昼間でも日が陰ると花弁を閉じて、日が出てくればまた花を開き、花の内側の温度が下がらないように調節しています。

まだまだ寒さが残るこの季節に咲く花だからこその特技ですね。

立春の頃をピークに少しずつ寒さも和らいでいきます。
雪や枯れ葉に覆われた森の下では、春に向かって色んな命がはじまりの準備をはじめているのです。

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