空から降るもの
こんにちは、森+LABOです。先日の大雪は大変でしたね。
想定外の大雪で被害に合われた方も多くいらっしゃるようです。
まずはお見舞い申し上げます。
さて2月18日から3月6日あたりまで、二十四節季では「雨水(うすい)」という期間にあたります。
少し寒さも緩み、空から降るものが雪から雨に変わることから「雨水」と呼ばれるのでしょう。
江戸時代の『暦便覧』でも、「陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となればなり」と記されています。
降雪が多く寒さが一段と厳しい日もありますが、少しずつ雪が溶ける陽気も増えることから、昔から農耕の準備を始める時期として考えられてきました。
今回はこの「空から降るもの」と森との関係についてLABOします。
どんよりした春先の空。コブシの新芽も出始め、寒さに耐えながら春を待ちます。
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さて空から降るものの代表として、「雨」と「雪」があります。
この二つは違うもののように見えますが。実はもとは同じです。
まずは雪や雨が降るメカニズムを簡単におさらいしてみましょう。
まず太陽の熱が、海や川を温め、温められた水分は水蒸気になって空にのぼっていきます。
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空の上は高度が高いほど気温が低くなるので、上昇した水蒸気は冷やされて氷の粒になります。
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上昇し続けるうちに氷のつぶはどんどん大きくなり、やがて重力に引かれ重みで下に落ちてきます。
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落ちてきた氷の粒に水の粒がついて、雪の結晶になって落ちていきます。
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高度が地表に近付き気温が高くなると、雪の結晶はとけて雨粒となります。
これが「雨」です。
そして地表の気温が低ければ雪の結晶が溶けないので、そのまま「雪」となって落ちてきます。
ひとつひとつの形が異なるという「雪の結晶」
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降った雨は、地面に染み込み、植物に吸収され、地表を流れたりしながら、最後には「水蒸気」となって空に戻り、また雨となって地上に降り注ぎます。
降った場所から遠く離れた川や海に流れる部分もありますが、かなりの量の雨水は、降ったその場所から空へと戻る仕組みになっています。
これが地球をめぐる水の流れです。
もし降水や水蒸気によって行われる大気中の対流現象が地球上に一切存在しなかったら、
地球の地表面の平均温度は、現在の15度から29度にまで上がってしまうと言われてます。
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地球温暖化は多雨をもたらすといわれていますが、それもまんべんなく降るのではなく、局地的な集中豪雨が頻発しています。
局地的ということは、一方で雨の降らない時期や地域が増えるということ。
原因の1つは、地域降雨に大きな役割を果たしている森林の減少や管理放棄による森林機能~水源かんよう機能~の低下です。
森があることで森の中の植物をクッションに雨が降った場所の地下に水がゆっくりと水が蓄えられ、
河川などの表層部へ一気に水が流れこむことを防いでいました。
また森の樹木が土壌層の下の基岩層までしっかりと根を張り、深い部分までの土壌を固定していたり、
森の下草が雨の衝撃から土壌を守ったり、栄養素がったっぷりつまった表土の流出を防いでいます。
空から降るものをゆっくりと空に返す。
森にはそんな力も秘められているのです。