暮れゆく森
冬の森は紅葉も終わり、静かな静寂に包まれます。

葉を落とした木々は静かな眠りにつき、次の春を待ちます。
ちらつく雪に覆われ、その静けさはさらに深みを増していきます。

雪が降ると、いつもより静かな感じがするのは気のせいではありません。
雪の結晶はそもそも複雑な構造をしており、
その複雑な形が降り積もることで多孔質な空間を作ります。
雪が降り積もると、音はその中に吸収され、複雑な構造体の中を反射しながら減衰し、
音の波の強さが弱まっていきます。
だから雪が積もった場所では、そうでないところに比べ、より静かに感じるのです。
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新しい年まであと少し。
気ぜわしい年の瀬の中で気持ちをリセットしたい時には、
雪の森を散歩してみるのもいいかもしれません。