凍る森

森+LABO 2015.04. 5

冬の深まり、寒さが増した森の中でも、いろんなものが凍っています。

でもその凍り方は同じではありません。
今回は森の中で見られるさまざまな「氷」についてLABOします。


森の下の方で葉っぱや草が凍っています。
これは「霜」と呼ばれる現象です。
霜(しも)とは、地表部の温度が0度になると、地表部にある空気中の水分が凍る現象のこと。
そのため地表部に多くの空気を含む畑等で霜柱をよく目にします。

ちなみに枯れていない植物は0度で凍ることはないため、
凍っている葉や草はみんな枯れていると言えます。

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春を待つ、田んぼの上にも氷がはっています。
氷を割ってみると、氷の下には水があります。
どうして全部が凍っていないのか、不思議に感じたことはありませんか?


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水が凍る温度はマイナス0度。でも水の重さが一番重くなるのは4度なので、
凍らない温度の水がいつも底の方へと溜まっていきます。
冬になるとわかさぎ釣りなどで、池にはった氷に穴をあけて魚釣りを楽しんだりしますが、
水の持つ不思議な性質、凍る時の温度より比重が重くなる温度が高いために、
池の中の水が全て凍ることなく、生き物が生き続けることができるのです。


最後は「雨氷(うひょう)」と呼ばれる現象です。
ふつう水は0度を下回ると凍結(凝固)し、氷になります。

しかし雲や霧のように雨粒が小さいとマイナス20度まで、
雨粒だとマイナス4度くらいまで凍ることはありません。
これは水の分子が非常に安定している時に起こるもので、過冷却状態と言います。

このような性質から、雨は降っている時に0度になっても凍ることがありません。
しかし雨粒が過冷却状態の時、0度以下に冷えた物体にぶつかるとその衝撃で凍ります。
雨氷はさまざまな条件がそろって初めてみられる現象だと言えるでしょう。

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寒い季節は外に出るのもおっくうになりがちですが、
さまざまな氷の姿を見つけに散歩に出てみるのも、寒い時期ならでは楽しみではないでしょうか。

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