融ける森
冷たい空気の中にも微かなぬくもりを感じる今日この頃。
日中の気温も少しずつ上がり、森の中に降り積もった雪や氷も融けています。

そんな春先の風景の中、木の根元の雪だけが先に融けているのを見て
不思議に思ったことはないでしょうか?

樹木は寒さの厳しい時期には休眠期といって葉を落とし、
生きるために必要なエネルギーを最小限に抑えていますが、死んでいるわけではありません。
静かに生きて代謝を行っています。
ただこの微かな代謝では幹のまわりの雪を融かすまでには至りません。

雪解けの頃の樹木は芽吹きの季節に向かって活動を開始しています。
その活動の際に発する熱が幹のまわりの雪を融かし、
残雪の中でも木のまわりだけ丸い穴があいたようになります。
つまり雪にあいた丸い穴は、木が春の芽吹きの季節に向かって動きだしていることの証なのです。
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長かった冬ももうすぐ終わり。
芽吹きの季節はもうすぐそこです。