毒キノコにご用心

森+LABO 2015.11.26

秋の味覚の代名詞といえば「きのこ」。

今回はそんなきのこの中でも、秋の森の散策時に気をつけたい毒キノコをLABOします。

 

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森の中のベニテングダケ。代表的な毒キノコですので間違って食べないようにご注意を。 

 

 

きのこには栄養素のほかに特殊な成分も含まれ、中には他の生物にとって有害なものがあります。

そういう成分を持つキノコは「毒キノコ」と呼ばれ、特に自生するキノコが増える夏から秋にかけては注意が必要です。

キノコ毒(有害成分)による健康障害には急性の中毒と慢性又は潜行性のものがあります。

そのため毒のあるキノコkを食べて、すぐに症状が出ないからといって、毒がないと安心はできないのです。


さらにキノコ毒による障害は3つに分類されます。

ざっくり言うと、お腹を下したり、吐いたり、消化器系に障害の起こる「消化器障害型」と

幻覚や幻聴、激しい頭痛やめまいを起こす「神経障害型」、

その他に、「原形質毒性型」といって、さまざまな臓器や細胞に作用して、腹痛、おう吐、下痢から肝不全、自不全、循環器不全を引き起こす怖いものがあります。

 

内閣府の食品安全委員会や厚生労働省では、特設ページを設けて毒キノコの危険性を詳しく紹介しています。

■外部リンク

厚生労働省「毒キノコによる食中毒に注意しましょう」

食品安全委員会ホームページ「毒キノコによる食中毒にご注意ください」

 

 

森の散策で見かけそうな毒キノコをちょっと紹介しましょう。

テングダケは針葉樹林のアカマツ林やトウヒ林、広葉樹林のコナラ林、クヌギ林などで見られるキノコで、時期は夏から秋にかけて発生します。

一見するとふつうのキノコですが、毒があるので間違って口に入れないように気をつけてくださいね。

 

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そして「ツキヨダケ」。

ツキヨダケはヒラタケ、ムキタケ、シイタケと間違えて食べてしまう人が多いキノコで、ブナ、イタヤカエデなどのに重なり合って発生します。

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もし食べてしまったら、食後30分~1時間程で嘔吐,下痢,腹痛などの消化器系の中毒症状が現れます。

幻覚痙攣を伴う場合もありますが、たいていは翌日から10日程度で回復します。

 

ツキヨダケは岩手県では「ドクキノコ」と呼ばれているほど、毒キノコの中でもポピュラーな存在です。

一見するとふつうのきのこですが、夜になると発光します。

そのため、秋田では「ヒカリダケ」、新潟では「ヒカリゴケ」とも呼ばれています。

 夜の森の中で発光する姿は幻想的でもありますが、見るだけにしておきましょうね。

 

 

秋は森の散策に持ってこいの季節です。

これから本格化する紅葉を愛でつつ、森の中にある少し危険な存在にも目を向けて、また違った発見をしてみてはいかがでしょうか。

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