森の香り
こんにちは、森+LABOです。
皆さんは森を歩いている時に、「森の香り」とでも言うべきすがすがしい香りを
澄んだ空気の中に感じたことはありませんか?
今回は、この「森の香り・フィトンチッド」が人の体に及ぼす影響についてLABOします。
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2014年2月3日の日本経済新聞(夕刊)にこんな記事が載っていました。
記事によると
「旭川医大の中村正雄名誉教授らの研究チームが、
森の中を歩くと「フィトンチッド」と呼ばれる森の香り成分が血中に取り込まれることを突き止めた。
フィトンチッドはマツなどの樹木が放出する揮発性化学物質の総称。アロマテラピーの精油に含まれることが多く、血圧低下や免疫力を高める効果も報告されている。」
森林浴の効果を計測するために、今までも脳波や血圧を計測することはありましたが、
今回の実験では、実際に1時間、森を歩いた被験者の血液の成分を分析し、
その中に含まれている「フィトンチッド」の成分のうち数種類の濃度が濃くなっていた、というもの。
この実験結果を受けて、中村名誉教授は
「フィトンチッドは肺で吸収された後、血液中で濃縮されているのではないか。
森を歩くと気分が良くなる理由を知る手掛かりになる」とコメントしています。
フィトンチッドについてもう少し詳しく調べてみると、その語源はロシアにありました。
フィトンチッドとは、ロシア語の「フィトン(植物)」、「チッド(他の生物を殺す能力を有する)」を組み合わせた造語で、
「植物からでる揮発成分は殺菌作用がある」と言うような意味になります。
「植物からでる揮発成分は殺菌作用がある」と言うような意味になります。
植物は自らの生命を維持するため、また自らの成長を促すために、フィトンチッドを幹や葉から大気中に放出しています。
植物は動くことができないので、フィトンチッドの放出によって身を守っているのです。
このことを1930年頃に発見したのが、発生学の研究者で、当時旧ソ連のモスクワ動物園実験生物研究所に在職していた B.P.トーキン博士です。
彼によって「フィトンチッド」という言葉が生まれたんですね。
なおフィトンチッドが含まれるのはマツなどの針葉樹だけではありません。
広葉樹でもクスノキやシキミなどのように多く含まれている樹種があります。
部位でいうと幹よりも葉に多く、季節では春から夏にかけての生成が多くなるという実験結果もあります。
地球上の全植物から放出されるフィトンチッドの量は約1億5千トンにもなり、
全世界で排出される排煙や排気ガス等の6倍にも達すると言われています。
つまりまちの中に緑がもっと増えたら、都市を覆う空気の質ももっと森の中のすがすがしい空気に
近づくと言えそうです。
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ひと雨ごとに秋が深まり、色づく葉の色もますます深みを増してきています。
秋はそんな色づく景色を見るために、1年の中でも特に森へ出かける機会の多い季節です。
こんど森の中を歩く時には、ぜひ「フィトンチッド」をたくさん肺に取り込む気持ちで
大きな深呼吸をたくさんしてみてください。
血液中のフィトンチッドの濃度が上がると、体の免疫力も高まり、
寒い冬を健康で乗り切るための力になるはず!です。